犬のペット保険とは、犬が病気(胃腸炎や皮膚病等)やケガ(骨折等)で動物病院にかかった際の通院・入院・手術等の診療費を補償対象としたペット専用の保険です。
保険会社により補償割合や補償範囲が異なり、契約内容に応じて保険金の支払いが行われます。
人間のように公的保険(健康保険制度)がないため、犬の診療費用は高額になりこうした任意加入のペット保険のニーズがあるのです。
ペット保険の歴史は、2000年頃からのペットブームを背景に、ペットの医療費の高騰等から診療費を補償する制度へのニーズが高まり、ペット保険会社の前身となるペット共済が乱立しはじめたところからはじまります。
現在のペット保険業界におけるリーディングカンパニーのアニコム損保を含める数社もこの頃共済として誕生しています。
ただ、共済の乱立は無認可共済の2008年頃から保険金遅延・未払いなどの社会問題を起こしました。そこで金融庁は、状況を収集するため、各共済が保険会社の認可取得か解散か加入者数1000人までの共済として存続するかという判断を迫り、現アニコム損保やアイペット損保などは保険会社としての認可を取得し、現在のペット保険業界が形成されたのです。
当初は6社程度でしたが2018年6月時点では大手損害保険会社アクサダイレクトやAU損保を含む損保4社、新規参入の楽天少額短期保険・SBIいきいき少額短期保険を含め15社となり業界は広がりを見せています。
犬の飼育頭数は1000万頭と言われ、高齢化を背景にここ数年は微減しています。
ペット保険への加入状況は犬・猫を含めると全体の5%前後といわれていますが、犬だけに絞ると10%程度はあると言われています。
犬の保険加入率が猫と比べの高いのは、人間と行動する時間が猫よりも多く健康管理をこまめに行っているので健康意識が高いといった理由や、犬は猫と比べるとペットショップでの購入が多く、ペットショップでの保険加入率は購入者の3割〜4割あるともいわれており、加入率の底上げがされているといったことが考えられます。
犬のペット保険会社を取り扱っている保険会社には「少額短期保険会社」と「損害保険会社」の2種類があり併せて13社が存在しています。
少額短期保険業 | 損害保険会社 | |
---|---|---|
参入規制 | 財務局による登録制 | 金融庁による免許制 |
最低資本金 | 1,000万 | 10億 |
ペット保険会社数 | 11社 | 4社 |
ペット保険会社名 | 日本アニマル倶楽部 ペット&ファミリー(ナンバーわん) ペットメディカルサポート(PS保険) ペッツベスト 楽天少額短期保険(旧もっとぎゅと少額短期保険・あんしんペット保険) FPC 日本ペットプラス少額短期保険(旧ガーデン少額短期保険) イーペット イオン保険 ペッツファースト少額短期保険(ペットがいちばん保険) SBIいきいき少額短期保険のペット保険 |
アニコム損保(どうぶつ健保ふぁみりぃ) アイペット損保(うちの子、うちの子ライト) アクサダイレクト(いぬのきもち・ねこのきもち保険) AU損保 |
保険契約者保護 | 保険契約者保護機構の対象外 | 保険契約者保護機構の対象 |
保険料控除制度 | なし | あり |
加入検討されている方にとって、最も気になる違いは、保険契約者保護です
少額短期保険会社は、2016年末時点では、損害保険契約者機構の対象外となっています。
万が一、少額短期保険会社が破たんした場合には、損害保険会社とは異なり、契約者保護の制度がないのです。
ただし、過去破たんした保険会社(生命保険会社・損害保険会社)のケースから、金融庁は、少額短期保険会社に対して、「供託金の義務化」や「法律にて業務の範囲を最小限に抑える」など契約者保護を図っています。
具体例
・法務局への供託金の義務化(1000万円以上)による契約者保護
・保険期間は2年以下で長期保険の禁止されている。
・普通預金と国債のみでしか保険料運用ができない。
・1保険契約あたりの上限は1000万円まで
また、人間の生命保険・医療保険等のように保険料控除制度は存在しませんので、年末調整や申告を期待される方は、注意が必要です。
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