子犬の噛み癖、甘噛みのしつけは、しっかりとしたしつけをせずに放置すると、家財・家具の破壊や成犬時の重大な事故(咬傷事故)にもつながり、飼い主の生活の質の低下や社会的責任を問われることにもなりかねません。
今回は、子犬の噛み癖・甘噛みの原因としつけ・予防に関してご説明します。
子犬時代の代表的な噛み癖は、① 歯の生え変わり(歯牙脱換期)における生理的な噛み癖と ②遊びの延長としての噛み癖(じゃれている流れで噛む)の2つといわれています。
どちらも比較的しつけがしやすいので、一般の飼い主宅でもしつけが可能です。
子犬から成犬に成長する過程で、乳歯から永久歯に生え変わる時期歯がかゆくなります。
かゆみがあり気になるので、気分を紛らわすために、家具を含め、手近ないろいろなものに噛みつきます。
抜け替わりが完了すればなくなることもありますが、放置しておくと、たくさんものを壊し、成犬になっても噛み癖が治らず飼い主を悩ますことになります。
Step2
犬が家財に噛みついて苦みを感じたリアクションをしたときに、事前に用意した噛んでよい犬用の噛みつきおもちゃ*を渡します。
噛みついて良いものは何かということを覚えていきます。
*おもちゃは、ひものついた市販の犬用のおもちゃを使いましょう。使い古したスリッパや靴・タオルなどは、成犬になっても噛み癖がつづくのでお勧めできません。
この方法を何度か繰り返すことと生え変わりが完了することで噛み癖は徐々に減っていきます。
犬も体(歯)に違和感を感じて、やってしまう行動なので頭ごなしに叱るのではなく、問題のない状況に誘導していくのがポイントです。
子犬の時期は、社会的行動を身につけるために、兄弟たちとじゃれ合い噛みあったりして、噛みつきの許容範囲を学びます。かみ合っているうちに相手が鳴くと辞めるといったことを学んでいきます。
子犬の頃から人間に飼育された場合、社会性を持たせるしつけを行うことは飼い主の役目になります。
子犬の時点でしっかりとしたしつけができていない犬は噛み癖が抜けなくなり、将来的に問題をおこします。
どこまでが遊びで許されるのか、しっかりと教えてあげることが重要です。
繰り返すことで、噛まないことが遊んでもらえること(ごほうび)と繋がり、遊びというごほうびがほしいので、噛むことを止めていきます。
甘えてこられると、つい遊んでしまい繰り返すことが難しいこともあり、家族全体で甘やかさないように意思疎通することが重要です。
また絶対に大声で恫喝するようにしかりつけたり、たたいたりはしないようにしましょう。悪影響しかありません。
子犬の噛み癖はご紹介した通り、身体的な成長によるものや、子犬の無邪気さからくるもので、こうしたことが起きるとわかっていれば事前に予防することも可能です。
基本的なことですが、タオルなどの日用品で代替させる方もいらっしゃいますが、引きちぎれたりすると、誤飲誤食の危険があるため、専用のおもちゃを使いましょう。
噛むための専用おもちゃは、歯科予防機能があるものもありますので、噛み癖も抑えられ、歯科予防もできて、一石二鳥です。
ただし犬の大きさにあったおもちゃにしないと誤飲誤食につながりますので、注意が必要です。
犬は猫と違い基本的に高所にはいけません。
大切な調度品などは、犬を立たせたときに届かない場所に置くか部屋を変え、そもそも目のつかない場所におきましょう。
子犬は興味を持つととりあえず、口に入れてしまうので避難させる、気づかせないことが重要です。
壊されてからしつけしても、傷ついた家具は元に戻りません。事前に防護シートやカバーを付けましょう。
椅子の足も噛まれやすく、下記のような防止スプレー(ビターアップルスプレーなど)などを吹き付けておくのもいいでしょう。
室内での遊びだけでは、足りないとストレスから噛みつきが起こることはよくあることです。
公園などでたくさん遊べれば、家に帰ってからはほとんど疲れて寝ているようになります。
犬種に合わせた運動量の確保は成犬時でも大切なことで、飼い主も犬と遊ぶ習慣をつけることができると、自身の運動不足の解消にもなります。
犬にも人間にも良いことが多いので積極的に実施しましょう。
子犬の噛み癖は、犬の習慣や成長の流れを理解していれば、しつけも予防もできる問題です。ただし個体の性格や迎え入れるまでの生活環境によっては、うまくいかないケースもあります。
噛み癖は時間と共に治りづらくなるため、飼い主や家族だけで解決しようとはせず、ドッグトレーナーなどのしつけの専門家に早めに相談することが重要になってきます。
子犬への適切なしつけと予防策をして愛犬と楽しい生活をおくりましょう。
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