犬の無駄吠えについて知っておきたい原因と対策・しつけ

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犬の無駄吠えは、騒音のクレームを生み近隣住民との軋轢の原因となりますので、重要な犬のしつけの一つです。
特に住宅が密集している地域や、集合住宅では、必須のしつけとなります。

今回は無駄吠えの原因としつけのポイントについてお話しさせていただきます。

目次

  1. 無駄吠えはどうして起きるの?犬の無駄吠えの原因と対策
  2. 無駄吠えのしつけでやってはいけないこと
  3. 無駄吠えのしつけまとめ

無駄吠えはどうして起きるの?犬の無駄吠えの原因と対策

犬の無駄吠えとは、飼い主が望まない状況で吠えてしまうことです。

犬にとって吠えることはごく普通の行為で、危険を知らせたり、威嚇をしたり、時には喜びを伝え、狩猟犬・番犬などとして活躍していたころは、人間にも必要とされていました。

しかし、犬がペットとして人間社会で生きていくには、「無駄」と判断されてしまいます。

無駄吠えの多いとされる犬種は、狩猟犬種(ジャックラッセルテリア・ミニチュアダックスフンド・ビーグルなど)や警戒心の強い犬種(ミニチュアシュナウザー・ポメラニアン・チワワなど)です。

まずは、何故犬が無駄吠えをするのかという原因と対策・しつけを把握していきましょう。

1)不満の表明・要求による無駄吠えの原因・対策・しつけ

原因

不満の表明・要求による無駄吠えとは、かまってほしい・遊んでほしい、おやつがほしいなど、飼い主に向けた欲求不満による無駄吠えです。

対策・しつけ

欲求不満による無駄吠えの場合は、まず何が欲求不満なのかを理由を考えましょう。

主な欲求不満の理由は、ご飯、水が足りない、おやつがほしい、散歩に行きたい・運動がたりない、かまってほしいなどです。

犬の飼育上問題がある場合(体格に対し食事や散歩量がたりない、コミュニケーションが足りていない)は改善をすることで、無駄吠えがなくなる可能性があります。

一方で、おやつがほしい・甘えたい・かまってほしいなどの場合は、単純に欲求にこたえてしまうと無駄吠えは悪化しますので注意が必要です。

吠えることでは状況が変化しないことを覚えさせるため、

①吠えたら無視をする

②吠えないで待っていた場合褒める

③要求に応じる

といった①〜③を繰り返し行う必要があります。
さらに、留守番や多忙でかまってあげられない場合にも備え、コングなどのおもちゃを使い犬だけでもたのしめるように誘導していく事も重要です。

2)縄張り意識による無駄吠えの原因・対策・しつけ

原因

縄張り意識による無駄吠えは、テリトリーに侵入する見知らぬ人や動物に対して、威嚇し追い払うための行為です。具体的には、窓の外に見える動物や人、車に対して吠えたり、来客時に発生しやすい無駄吠えです。

対策・しつけ

家の外にいるものへの無駄吠えには、無駄吠えがおきそうになった場合に、都度ブラインドやカーテンなどで視界を遮断することで改善する傾向があります。

また来客への無駄吠えについては、来客から犬へおやつを渡して慣らせることや、来客に対しても、正面から目を見る・大きな声を出すなど、犬の警戒心を煽るような行動を抑制してもらうことが必要です。
何度か繰り返すことで、来客は警戒すべき対象ではないことを教えていきましょう。

3)恐怖・不安による無駄吠えの原因・対策・しつけ

原因

恐怖・不安による無駄吠えとは、過去に、何らかのトラウマや見知らぬ事柄にたいしての恐怖・不安が原因の無駄吠えです。

対策・しつけ

恐怖・不安の原因が何なのかを確認しましょう。その原因を取り除くことがまず先決です。

ただし、カミナリや強風などの自然災害の音や、幹線道路の自動車音など防ぎようがない原因もあります。その場合は、安全な場所に移動させましょう。

また掃除機が苦手な犬は、掃除機の周りでおやつをあげるなどを繰り返し、苦手なものに慣らしていくことが重要です。

4)その他の理由による無駄吠えの原因・対策・しつけ

無駄吠えには、1)~3)以外に体調不良・認知症・ほかの犬に呼応して吠えるなどがあります。

①体調不良による無駄吠え

この行為は、無駄吠えではありません。骨折・下痢嘔吐などのわかりやすい体調不良や内臓疾患などの見えない体調不良などがありますが、犬は、体調が悪い場合、一時的に性格がきつくなる傾向にあります。
人間でも体調が悪いと余裕がなくなり、言葉が悪くなったり、きつい対応をすることがあることをイメージするとわかりやすいですね。

ただし、犬の場合我慢強い部類の動物ですので、吠えて不調を訴えるというのは、緊急事態の場合が多いです。

普段温厚な犬が無駄吠えをするようなことがあれば、体調を確認し、獣医師に相談することをお勧めします。

②認知症による無駄吠え

犬にも認知症は存在しており、食事の改善、医療の発達などにより寿命が延び、人間と同じように老齢性の認知症の犬が多くなっています。
犬種にもよりますが、大型犬で6歳前後、中型犬・小型犬で8歳前後になって無駄吠えが起きたら認知症を疑いましょう。

異常な行動とともに無駄吠えなども起こりますので、おかしいと感じたら、獣医師に相談し、治療をしましょう。

③ほかの犬に呼応して無駄吠えをする

いわゆる遠吠えのようなものですが、多頭飼育の場合多い傾向にあります。

この場合は、どの犬に呼応して無駄吠えをしているのかを確認する必要があります。

たいていの場合は、年長の犬の真似をしているケースが多く、この原因犬をしつけなければ、やめることはありませんので注意しましょう。

無駄吠えのしつけでやってはいけないこと

無駄吠えを解決する方法として避けたい方法がいくつかあります。

1)暴力による罰則

しつけと称して行う暴力は、すべて行うべきではありません。
過去、ドッグトレーニングの現場でも用いられていたこともある方法ですが、犬に与えるマイナスの影響が多く、小さな暴力でも恐怖心を煽り、用いるべきではありません。

2)ショックグッズの使用

犬が吠えた瞬間に電流が流れて痛みを与える首輪(ショックカラー)の使用です。一般的に販売されているグッズですが、①と同じ理由で実施すべきではありません。

3)声帯切除手術

声帯切除手術とは、犬の声帯の一部に切れ目を入れて声が出にくくする手術です。うるさいから吠える事をできなくするというのは、根本的な解決にはなりません。

これらはいずれも犬に対するストレスが大きく、効果もまばらなためお勧めできません。

また動物愛護の観点から見ても問題があるといえます。

無駄吠えをしつけるポイントまとめ

ここまでで、犬の無駄吠えの原因とそれに対しての対策をあげさせていただきましたが、無駄吠えのしつけには、①〜④の共通のポイントがあります。

①無駄吠えの原因を認識する

②無駄吠えの原因を取り除く

③無駄吠えが起きたとき、犬に対して要求に応じる、頭ごなしにしかるなどアクションを起こさず、静観か無視をする。

④無駄吠えをしない場合は、褒め、ご褒美をあげる

無駄吠えをなくすしつけを行っていく中で、コミュニケーションが密になり、より強い信頼関係を築くこともでき、犬と人間双方にとって幸せな日々が過ごせます。

①〜④のポイントを踏まえ、時間はかかりますが、忍耐強くしつけをしていきましょう。

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