犬の避妊・去勢手術は、犬と暮らす方が必ず検討しなくてはならないことです。
避妊・去勢手術を行うに辺りどの程度の費用がかかるのか、避妊・去勢手術のメッリト・デメリットについてもご紹介します。
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犬の避妊手術・去勢手術の金額は、数十万かかるような高額な手術ではなく、動物病院で支払う手術費は数万円です。
また、全身麻酔を伴うため、実績の多い信頼できる獣医師に任せた方が良いでしょう。
以下では、具体的な金額、手術の流れを、説明致します。
手術費用は、犬の大きさにより変わってきます。
一般的には大きな犬の方が、麻酔薬を使う量が多く、高額になりますが、超小型犬といわれる犬種も、手術部位が小さく細かな手術のため時間がかかる場合は高額になります。
性別により金額が異なり、手術がより複雑なメスの避妊手術のほうが、オスの去勢手術より高くなります。
オスの去勢手術(入院なし)で、20,000円~30,000円程度
メスの避妊手術(1泊入院)で、30,000円~50,000円程度
手術費用に含まれる項目としては、全身麻酔料、手術技術料、手術室使用料、手術用具滅菌料、(麻酔のための術前の)診察料、血液検査料、尿・便検査料、となります。
手術費は上記の金額のように目安がありますが、動物病院は自由診療の為請求される金額にも幅があります。各動物病院HPなどで地域の相場感などを調べ、あらかじめ全部でいくらかかるかを確認しましょう。
メス犬の避妊手術は、生後5〜9ヶ月頃・オス犬の去勢手術は生後6カ月から1年未満が適しています。
また、手術は基本的に①〜④のような流れで実施されます。
事前検査が実施されます。手術を受ける犬の状況を獣医師が確認しすでに発情している状態だった場合は見送られるケースもあります。
体重測定などの一般検診のほか動物の年齢や状態に応じて、血液検査やレントゲン、心エコー検査などの検査も実施します。
特に高齢の場合は全身麻酔となるため、心臓検査で異常が発生した場合は、延期或いは中止になります。
避妊手術・去勢手術を受ける日は、当日0時か前日の夜から絶食させる必要があります。
絶食時間は、犬のサイズによって異なります。手術自体は、15~30分程度手術で麻酔が切れる時間の方が長くかかります。
術後術後の回復 麻酔が覚め、安全な歩行ができれば、オスの多くは当日中に帰宅しますが、開腹手術となるメスは、通常1~2泊し、合併症などが起きないよう確認後、帰宅します。
どちらの場合も傷口をなめないようにエリザベスカラーと術後服を装着するのが一般的です。
エリザベスカラーと術後服は事前に用意できなければ、動物病院からのレンタルか買い取りで提供されることが多いようです。
犬の避妊手術・去勢手術が行われてきた理由は、子犬が産まれてしまっても飼育できる環境や譲渡先がない場合の望まれない妊娠の予防するためです。
犬は犬種や初産か経産かによりますが、小型犬、中型犬で2~6頭、大型犬だと8匹~12匹です。
犬は多産のケースが多く、飼育できる環境や譲渡先がない場合はまず、産ませないようにすることが飼い主の義務と考えられてきたからです。
こうした、妊娠の予防以外に、早期の避妊手術・去勢手術がホルモンに関わる疾病を予防できることが広く一般の愛犬家に認識され、出産を望まない場合、速やかに避妊手術・去勢手術が行われています。
現在では、一般化していている犬の避妊手術・去勢手術ですが、それぞれメリット・デメリットがあるので、しっかり理解したうえで手術を行うのが望ましいといえます。
犬の避妊手術・去勢手術のメリットをまとめてみました。主なメリットは①~③です
発情をすると、メス犬・オス犬ともに、性ホルモンが原因の問題が起きます。
雄犬(オス犬)
・頻繁にマーキングを行うようになる
・狂暴になり、オス犬との喧嘩や無駄吠えが増える
・脱走をする
こうした問題行動は避妊手術・去勢手術をすることで、性ホルモンの分泌がなくなり、問題が減少します。発情前に手術をした場合は発情に伴う問題行動はほとんど起きません。
他の飼い主の犬に不安定な状態で出会ってしまうと、普段温厚な犬でも思いもよらない事故が起きることもあり、こうした事故の予防にもなります。
人間と同じように、犬も性別独特ホルモンがかかわる病気にかかります。
避妊手術・去勢手術の手術はこうした病気への罹患確率を下げる効果があることが分かっています。
できる限り早い段階で行うことで、手術の効果は高まると言われています。
雌犬(メス犬)
子宮蓄膿症
未出産の5歳以上の雌犬に多い疾患です。
発情期になると卵巣からホルモンが分泌され、細菌感染による防御力が弱まって細菌の進入を許し発症します。
慢性化や悪化すると腎不全を併発し,死亡の危険性もある恐ろしい疾患です。
乳腺腫瘍
メス犬の疾患としては、ポピュラーな腫瘍で、半数が悪性腫瘍です。
10歳以上の高齢犬での罹患率が高く、飼い主が犬のボディチェックを定期的に実施していると気が付きやすい腫瘍です。
発情前に避妊手術を行っていると、極端に罹患率が落ちるため、避妊手術の大きなメリットの一つといえます。
雄犬(オス犬)
前立腺肥大症
前立腺が肥大し、尿道を圧迫するため排尿障害が起き、悪化すると膀胱炎・腎不全を引き起こすこともある病気です。
軽度の場合は内服薬や去勢手術で対応できますが、重度の場合は前立腺全摘出手術が必要となります。
精巣腫瘍
オス犬の多くが罹患する可能性がある腫瘍です。腫瘍が肥大化するまでは、日常生活に影響がなく気が付かないケースも多々あります。
治療法としては、摘出術になりますが、全身麻酔のため、高齢での手術は命のリスクが伴います。
会陰ヘルニア
高齢のオス犬に多い疾患で、尾の付け根の左右いずれかが大きく盛り上がる症状が見られます。
腹圧がかかり、庁の一部・膀胱がはみ出てしまうことが原因です。
悪化すると、腸の通過障害や排尿障害が生じ、死亡することもあります。
犬の避妊手術・去勢手術を行う理由でもご説明しましたが、最も大きなメリットは、望まれない妊娠・出産を回避できることです。
出産後の飼育のめどが立たない場合は、命のリスクを伴う出産は、飼い主・犬ともにメリットがありません。
避妊手術・去勢手術をすることでのメリットは多くありますが、同時にデメリットもあります。
避妊手術・去勢手術は、全身麻酔をかけて行う手術になります。
とくに全身麻酔は体力の弱い高齢犬になると、命にかかわる手術です。できる限り早い年齢で決断することが重要です。
避妊手術・去勢手術を行うと性ホルモンが分泌されなくなり、代謝が落ち活動的でなくなる傾向があります。
術前と同じような食事量だと、肥満になりやすくなります。
肥満がもとで別の疾患にかかってしまっては、病気予防のために手術をした場合は本末転倒になります。
低カロリーな食事に変えるなど、食事コントロールの必要があります。
はっきりとしたことはわかりませんが、オスやメスとして成熟する前に手術を受けさせると、性ホルモンの分泌が止まって、オスらしさ、メスらしさがなくなることがあるようです。
また成熟後の場合、穏やかな性格が攻撃的になったり、自信を無くしたような気弱で甘えん坊になることもあるようです。
避妊手術・去勢手術を行うことは、犬が本来持っている生殖能力を奪うことです。
術後は、愛犬の子犬は望めなくなることを覚悟しましょう。
稀にある例としては、手術用の糸にアレルギーを起こすことがあります。
また、繁殖力のある犬を品評するための場であるドッグショーへの出場はできなくなります。
犬の避妊・去勢手術は。本来持っている生殖能力を奪うことにもなり、様々な意見があります。
一方で、犬の殺処分は10万頭以上あり、その中には、飼いきれず捨てられた子犬も含まれています。
メリット・デメリットがある避妊手術・去勢手術ですが、金銭的な負担は大きいわけではなく、犬と人の双方の長い生活を考え、検討する余地がある手術といえます。
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